特別な存在

生まれてきた赤ちゃんは、全くの白紙の状態で生まれてきたのでしょうか。それとも、その赤ちゃん特有の個性を持って生まれてきたのでしょうか。一人一人の性格は初めから持って生まれているのでしょうか。
 以前の行動科学の専門家たちは次のように考えていました。「赤ちゃんは白紙の状態で生まれてくる。そして、親や周りの生育環境によって全てが形作られていく。」と。今、子育てをしている皆さんはどのように考えますか。お二人以上の子どもをお育てになっている方なら「赤ちゃんは白紙の状態で生まれてくる」ということに同意できないのではないでしょうか。あるお母さんが仰いました。「生まれたばかりの我が子を抱いた時に、この子はお姉ちゃんとは違うと感じました。そして、それは当たっていました」びっくりですが、鋭い感覚です。違いがわかったのでしょう。実は、こんにちの発達心理学者たちも同じ意見です。ある研究調査によれば、子どもの気分や、行動や、反応のレベルの個人差を調べたところ、子どものそれらの性質は、成長して大人になっても変わらないという結果を得たというのです。生まれた時点での性質が、大きくなっても保持されているということは何を意味しているのでしょうか。それは、生まれてきた赤ちゃんは白紙の状態で生まれてきたのではないということです。成長に伴って性質が定まっていくのではないのです。このような研究は、これからも更に深められて明らかになっていくことでしょう。
 雪の結晶は一つとして同じものはないといいます。指先の指紋も誰一人同じ人はいません。違っていて当たり前の世界はこの世の中にたくさんあります。赤ちゃんの心、赤ちゃんの性質が、工業製品のように均質で、白紙状態で生まれてくると考えるのはおかしなことではないでしょうか。勿論、環境や経験が人格に及ぼす影響を否定する学者はいません。が、生まれた瞬間から私たち人間は、一人一人が大切な存在であることは明らかなのです。あなたのお子様は、他の誰とも比べようのない、とても尊い、特別な存在であることを覚えて子育てをしていきましょう