「キラキラ堂々」と「ビクビクどきどき」

生まれつきものおじもせず、新しいことにどんどんチャレンジすることの出来る子がいます。「キラキラ堂々」型。一方、いつも自信がなく、どこかに影がある子がいます。「ビクビクどきどき」型。「キラキラ堂々」型の子は自信を持ち、劣等感に悩むということは少ないでしょう。しかし、「ビクビクどきどき」型の子は自信がなく劣等感が絶えず漂ってしますのです。
もしも、お子さんが自信に欠けていると感じたならば、親は、それを補ってあげることが必要です。子供に対して意識して関心を向けてあげる努力が親には必要です。子供に自信をつけるために効果的な方法は、長所を伸ばしてあげることです。子供の生まれつきの能力を見つけ出してそれを伸ばしてあげることは、親の重要な役割の一つです。音楽、芸術、スポーツ、勉強何でも良いでしょう。子供の興味関心を把握して認めてあげるのです。それは、早ければ早いほど良いでしょう。
子供の弱点を、いくら取り扱っても自信をつけるのには遠回りです。長所を見つけ、それを伸ばしてあげるのです。弱点を隠すように長所、特技や知識などを大きく伸ばしてあげたいものです。自信を身に付けないままで思春期に突入することは危険な事です。何かの特技が身についていれば自分に自信がつき、精神的安定を得ることが出来ます。
例えば、外で元気に遊ぶことが大好きな子には、野球チーム、サッカーチーム、ボーイスカウトなどに入れることはどうでしょうか。音楽が好きな子には、ピアノを習ったり、合唱団に入ったりするのも良いでしょう。例え教室の中では目立たなくても、運動ではだれにも負けないピアノではだれにも負けない、という特技を身に付けている子は自信が持てます。
ものおじして「ビクビクどきどき」している子がいたら、良いところを積極的に見つけてあげて、それを伸ばしてあげるのです。そうしていく事によって自尊心が芽生えて、思春期を乗り越え、自信を身に備えた素敵な大人になることが出来るでしょう。

お父さんと過ごしたい

親の子供への関わり方について皆さんと考えてきました。家庭ではもちろん、学校生活でも、子供にとって親の存在は必要不可欠だという事をお伝えしました。きょうは、13歳の少年の新聞投書を皆さんにご紹介します。

中学生 段 暁然(東京都練馬区 13歳)
僕は、父親の仕事のために中国に6年間滞在し、去年、日本に戻ってきました。
久しぶりに日本で過ごし、生活がとても楽しいと感じています。小さい頃の思い出もよみがえってきました。
ただ、家ではお母さんや妹と過ごすことが多く、ある日、僕はお父さんはどこにいるのだろう、と気にするようになりました。お父さんはまるで透明人間になったようです。同じ家で生活している形跡はありますが、何日間にもわたりあえないことも。
中国に住んでいたとき、お父さんは7時ごろには家に帰り、一緒に夕食を食べていました。でも日本では、僕が夕食を食べるとき、お父さんは会社で働いています。朝もお父さんは早起きして僕が起きる前に家を出ていきます。
僕はもっと「お父さんお帰り」と言いたいのです。もっとお父さんを見たいのです。もっと家族全員で過ごしたい。
朝日新聞2012年1月21日「声」より

 中国から日本に帰ってきた途端にお父さんが透明人間となって消えてしまったように思えるという声に、わが身を振り返るお父さん方がおられることでしょう。自分で自由にならない時間を過ごしているお父さんの辛さは、いかばかりかと思います。少ないかもしれませんが、自由な時間の中で子供との関わり方を工夫したいものですね。

しっかりほめること

あなたは、ほめられるのと叱られるのとではどちらがいいですか。ほめられること、とお答えになる方がほとんどではないでしょうか。しかし、残念なことに自分はほめられたいと思っているのに、子供の前ではほめることを忘れてしまってはいませんか。ある心理学者は言いました。「子供を叱らなくてはいけない場合があります。でも、1回叱ったら9回ほめてあげるとちょうど良いのです。」と。私たちは、大人でも子供でもほめ言葉に良い反応をするものです。自分をほめてもらうために、自分を認めてもらうために何でもする、という行動に出ることがあります。このような傾向は子供にはっきりと現われるものです。
「子供は、自分に関心を払い、ほめてくれる人のいう事をよく聞く。」と思いませんか。あなたが、自分の子供を認めてあげない、ほめてもあげないとします。そのような関係の中で、もしもほかの誰かが、お子さんを認め、ほめてあげているとしたら、子供の心は、その誰かに引き寄せられていくでしょう。そして、その誰かが悪いことを考えている人だったら大変です。子供には人の心の中を見抜く力はまだ備わっていないのです。親とは別の価値観を持つ人が、ほめ言葉を上手に使ってお子さんを利用しようと企んでいるかもしれません。先日、川越のクレアモール路上で男性が女性に声をかけていました。「ちょっといいですか。かわいいね。きれいなヘアースタイルだね。」とか言いながらしつこく付きまとっている様子でした。何かの勧誘でしょう。そのような、ほめる手口を使って関心を払い、自分のテリトリーに相手を引き込もうとしているのです。子供を誘うときにもほめ言葉を使うという手口は実際に行われているでしょう。悪いことを企んでいる人たちの手に子供を渡してはなりません。そのような事にならないためにも、自分の子供を認め、子供に関心を向け、ほめてあげる。そうすることによって子供に勇気と喜びを与えてあげるのです。ご家庭で、子供が良いことをしたら、しっかりとほめてあげましょう。「お早う」と挨拶したら、「いい挨拶だね。ウレシイ」としっかりほめてあげる。その効果は驚く程にいろいろな面に現われて来るでしょう。

父子関係

父親を亡くしたアメリカの男性のお話です。
「私は、高校生の時にフットボールの代表選手として活躍できました。私は、父に何度もフットボールの試合を見に来てくれるように話しましたが、父は仕事で忙しく、試合を見に来ることはありませんでした。とうとう、卒業前の最後の大会の決勝戦。父にはどうしても試合を見に来てほしかったので、そのことを父に話しました。
 試合の直前に、私がグラウンドでウォームアップをしている時でした。スーツ姿の父が、2人の同僚と一緒に歩きながらスタンドに近づいてきました。ところが、父は友人2人としばらく立ち話をした後で、私が見ている前を通り、グラウンドから立ち去ってしまいました。
 私は、今58歳になりますが、当時のことを思いだすと今でも涙が眼に溢れます。もうあれから40年も経っているのに、あの時の失望感はきのうの事のように私の心に残っています。」
 
 この話を読んで、皆さんはどのようにお感じですか。このお父さんは、何とか子供の願いを聞き入れたのでした。努力もしているようです。が、仕事を優先して試合の開始すら待てませんでした。その時の事が40年経っても深く心に残っている。改めて、父親が持つ子供への影響力を感じます。子供の生活に、関わらない親は、子供の心に何十年経っても消えない虚しさ、空洞を作ってしまうのでしょう。この父親が亡くなった時に遺体の前で彼はつぶやいたというのです。
「お父さんと一緒にしたいことはたくさんあったけど、お父さんは忙しすぎて、僕と一緒に過ごす時間は全然なかったね」と。

臨終を間近かにした人で、「私はもっと仕事をしておけばよかった」と言って亡くなった人を私は知りません。お子さんとの交わりの大切さは、大声で訴えるまでもない事。お父さん方も分かっておられることでしょう。